慟哭

2008年11月30日 映画 コメント (4)
慟哭
金曜日、試写入れて4貝目の「貝」に行ってきました。

お昼の貝(←変換を変換するのめんどくさくて…そのまま♪)です。
前の方は空席が目立ちましたが、通路からうしろの見やすい位置はギッシリでした。
時間のせいもあってか熟年ご夫婦の姿が目立ちました。

でもお隣は若いカップル。
女性は…なかなか集中できないみたいで脚を組みかえてみたりため息ついたり…そっちが気になって気になって(汗)
でもお連れの男性のほうは…最後のほう鼻すする音が聞こえてきて「男性のほうがキちゃったのねん」なんて(笑)
エンドロールがはじまった途端女性のほうが席立ってとっとと行っちゃって…(汗)

きっとデートで映画でも観ようか?ほら宣伝しまくってるアレ行ってみようか??なんてノリで見に来たのかな?
この女の子も、反応は薄かったけど(汗)でも最後まで見届けた以上何かはインプットされたと思うんですよね。それが何かの拍子…結婚するときかも出産するときかもしれないし、遠い将来身近な方が不幸に逢われたときかもしれないし…に感想や感情が吹き出てくるかもしれない。
もし中居くんの骨身を削った頑張りの宣伝のおかげでこんなカップルが居たとしたら、絶対ムダじゃない。
そんなこと感じてました。

ただね~~今回も涙も鼻水もあふれ出てくるのだけど(汗)その女の子が「ちょっとおかしいんじゃねっ?このおばちゃん…」なんて横目で見てたら…と思うと気が気じゃなくて…。
思ったと思うんですよ~~まぁ知らない人だからいいんだけど、やっぱりね。

「泣けた」「泣けなかった」という判定?の方法は、でもあくまでも「いつもの自分とくらべて…」という基準にはなるだろうけど人と比べることには何のイミもありませんっ!!(断言!)
だって、涙もろさってホント体質だもの(笑)
「箸が転んでもおかしい」と同様「花が散っても泣ける」涙腺ってだけなんです…(←これは大げさ・汗)

今回は、家族団欒が逆に哀しくて涙が出てくるのは前回と同じだけど、
(すっ飛ばして)大西との別れ、矢野中将が処刑のため連行されるところ、このふたつが泣けて泣けて仕方なかった。
今更ながら気づいたけど、豊松が泣いてるところであり哀しむところなんですね。
監獄のシーンになってからは自分がもう豊松になって一喜一憂してるってことに気づきました。

「大西さん、ありがとう~」って獄のみんなの叫びが…ホントつよぽんの大西さんはそんな慕われ尊敬される人物、豊松に優しくしてくれたように誰の心にも灯を点してあげるような人物だったんだろうな~って説得力がすごくある。
中居くんが「すごい役者」って実感したんだものね。(お互いにね♪)

矢野中将とのシーンも全部すごく好き。
どうしても「閣下」と呼んでしまう豊松の性格もわかるし、そう呼ばせる石坂さんの威厳も見事。
「あたまの髪が伸びているようです」と散髪マイムするところの、あの茶目っ気のある表情…あそこでも不思議とブワッと涙があふれてきた。
きっとそのシーンでも豊松の人柄がすっごく現れて「こんな、こんないい人なのに~~」って反応しちゃったのかな?…っていうより純粋にその表情が澄んでて綺麗で、美しいものを見て涙が出てくるのと同じ反応だっただけかもしれないし…う~ん両方かな?

そして珠玉の静かな静かな散髪シーン。
おだやかな会話。豊松が心を込めて髪を刈ってる様子。
差し込む光りが(シチュエーションはありえないけど)宗教画みたいにも見えた。
厳かな神聖な空気のなか、なんてことない他愛のない静かな会話。
ここといい、よさこい節のダメ出しするたのしい会話といい、このあとすぐ処刑される矢野さんが死の前にただの一市民として心からの友人を得たことがなんだかうれしくて、おまけにほんっとに豊松がいい人すぎて(笑)せつなくて、ふたりのシーンはずっと泣いてたかも(汗)

「チェンジブロック」のところも、極限状態のなかふたりがどれだけ心を通わせあってたかが伝わってきていつも涙ダ~ダ~なのだけど、ちょうどその夜‘ニュース23’で「あそこはほぼ鶴瓶さんのアドリブだった」と中居くんの口から聞いて、その途端思い出してまた泣けて仕方なかった。
あまりにもリアルにセリフじゃないみたいな豊松への言葉かけだった、あれはほんとに西沢になりきっての反応だったんだな~って。
あと、西沢さんちゃんととっさに写真はがして渡してくれてありがとう、って。(←これは観てたとき☆)でも健坊の「をとうさん」の絵はあそこに残されたんだね。

あそこ、ちゃんと西沢が看守に「減刑やろっ?」って確認して「そうだ」って答えたのに違ったやんっ!?(怒)って腑に落ちなかったけど、
今回見たら「そうだそうだ、早くしろ」ってあしらって答えてただけなんだね。
そんでジェラーのほうは少し切なげな表情で何も答えなかったんだね…。
(シナリオ本では看取は何も答えなかったんだね。)

大西のときと同様、豊松への「おめでとう~~」って仲間がわがコトのように喜ぶ声と食器の音に、ほんとに豊松の‘善良さ’がこころにしみて余計辛かった。

前後するけど散髪屋さんのシーンも好きだなぁ。
「床屋」とか「髪結い床」って今もそんなところもあるだろうけど、ご近所の寄り合いどころだったりするし、「ていねいな仕事で通ってる」豊松さんが無くてはならない人なんだな~って実感できて。
ほんとにあったかい風景で。

それと、もう見事な鬼上官ぶりのム・サ・カっ!!
憎ったらしい~~もう逮捕されてからまで憎ったらしい~~~お見事!
今回はもうスジも分かってるので、殴られるシーンは全部目つぶってましたよ(汗)
オフィシャルブックのオフショット…ムサカは出てないけど(笑)中居くんも滝田も笑ってるショットにほんとにホッとした。「あ~フィクションだったんだ」って(笑笑)

そして、…今回いちばん辛くて辛くて仕方なかったのが、処刑の前の豊松の慟哭。
「金持ちになりたい…」というところで本音は「えっ?」って思った。
なんだろう~豊松さんはそんなこと言う人じゃないよねっ?みたいな(笑)

そこから、どこかで監督も言われてた「恨み節」がはじまる…その長ゼリフ、搾り出すみたいな声と言葉がまさに‘節’みたいで詩のようで引き込まれた。
その声がだんだん詰まって慟哭になるところ。
大の大人の男が手放しで慟哭してる…辛かったなぁ。
話してるうちに「これで終わるなんて…なんてつまらない人生だったんだ…」って泣けて泣けて仕方なくなったんでしょうね、ある意味みっともないすがた。
これをさらけだしてる豊松。身も世もない泣き方で…。
和賀さんの「とうちゃ~~ん」の号泣を思い出したけど、こちらは恨み・憎しみが込められたまさに怨嗟の慟哭…

中居くんの「裸になってさらけださないとできない芝居」って、いろんなシーンがあっただろうけど一番はここだったんじゃないかな?って感じました。
かっこつけようもない、みっともない、徹子さん言うところの「いいところがひとつもない」豊松の最たるシーン、今回はここが今までより一番ギュウ~~ッっと辛くて同時に感動しました。

******いままでもネタバレだけど、多分いちばんネタバレ↓******

なんて…いままで気づかなかったのはわたしだけかも知れなかったけど…
最期のときに布をかぶせられる直前の微笑みに、恥ずかしながらはじめて気づきました。
今までは「ああ~いよいよっ?」ってドキドキしちゃってちゃんと豊松の顔も見られなかったんだと思います。(3回も見てたのに…汗)

最後の最後に憎しみ・恨みだけじゃなくて家族のことを思い出せたんだ。
写真のこと思い出して…その瞬間は愛情いっぱいの気持ちになってそのまま旅立てたんだと思うと、ほんの少しだけどゴマ粒くらいなもんだけど、救われる気持ちになります。
結局写真はみることかなわなかったけど、せめて指で家族のぬくもりをなぞることができたのかな?って。

*************************************

はぁ~~ほんとに尾をひきますね。
そして尾を引くといえばライブもです~。
昨日2日おいて行ったナゴヤドーム(写真はソレです。)
もうねぇスタンドから見下ろしてもどこで夢みてたのか(笑)もさだかじゃないほど「夢のあと」でしたが…。
来年も必ず必ずこの場所で夢の世界に参加したい~~!(←菖蒲さま、欲張りでしょっ?)

ついでに(笑)…ドラゴンズも川上・ウッズ・ノリが居なくなって当分優勝どころじゃなくなるだろうけど、
この機会に若手中心で建て直し頑張れよ~~~っ!!なんてね、楽しんできました。

楽天移籍が決まった中村ノリの最後のご奉公すがたがグランドで見られたんです。
ふつう移籍希望の選手ってここには来ないのに…。
ノリのドラゴンズへの感謝の気持ちとけじめが現れてるようで、「楽天行っても応援するよ~~っ」て心から思いました。
ファンのノリ声援もタイヘンなもので…ここでも泣いた感涙体質のわたしでした。

コメント

nophoto
aki
2008年11月30日20:47

舞台挨拶で中居さんと監督さんが、「若いコに是非!」と話されていたので、
私も高校生の息子を連れて行ってきました。
朝一、9時25分開始という、かなり早い回だったので入りは‥う~ん‥
でしたけど(苦笑)、かなりご高齢の方とか、中年のご夫婦とか‥
お客さんの大半は一般の方だったんじゃないかなぁ‥と。
くるみ様のお隣に座ってた女性のような、マナー違反の方もいなくて‥
ホントならもっとしっかり映画の世界に浸れるハズだったんですけど、
隣に息子がいると中々ドップリ!という事も出来なかったんですけどね~、
実は(苦笑)。

息子は‥高校生ですから中々話をするとか、難しいんですけど、
でも一緒に見に行けたっていう、それだけでも何か残ってるかなぁ‥と思っています。

nophoto
ちえ
2008年12月1日10:18

くるみさん、ドーム如何でしたか?楽しめましたか?
ここ数日、怒涛の宣伝ラッシュとスポット予告を娘が見ていて、一緒に試写を2回見ているので「劇場で見なくて良いや」と言っていたのですが、また俄然見たくなってきたと言っておりました。
此れでもかとCMを流すのも効果があるものですね。娘とは冬休みにでも見てきます。その前にまた1人で行って来ようかなぁ。

くるみさんは「金持ちの一人息子」で「えっ!」と思われたのですね。私は単純バカなので「そうだよねぇ~もう貧乏は嫌だよね。お金持ちになって房江と子供達と暮らしたいよねぇ」と思いましたが、よく考えると、それだと巡り合わないですよね。私って浅いなぁ(笑)
ラストのジェラーが豊松を抱きかかえて涙するところと、写真を手に微笑むところは監督が橋本先生の了解をとって付け加えたそうですね。ただ処刑されて終わると観客にも憎しみが残ってしまっていたかも知れませんね。残酷で何も良いところが無いけど、ほんの少しかすかな光ですよね。それが無いと若い観客は絶えられないでしょう。
橋本脚本にラストを加えたのはやはり、その時代に生きていた人と過去の事でしか知らない者との違いかなと思いました。現在進行形の時代と未来形の世代。日本では過去にあんな思いをした人が沢山居た。でも、それは世界の何処かに今でも沢山いる。どうか、どうか多くの若い人たちに考えて欲しい。映画に携わった人たちのメッセージを強く感じました。
それから職業軍人と一般から徴兵された下等兵の最期の対比が尚いっそう戦争の愚かさを表していたように思いました。
またまた、長くなってしまい申し訳ありません。つい熱くなってしまう・・・(苦笑)
この辺で失礼します。また、お会いできる機会を楽しみにしています。

くるみ
2008年12月1日16:12

>akiさま、こんにちは☆
息子さんとっ?よかったですね~~。
反抗期だったり思春期だったりでなかなか素直に話す機会も少ない年頃でしょうに、それでも一緒に来てくれるなんてステキですね♪
小4のチビでさえライブのとき隣にいてなかなか集中できなかったのに(気も使うしね・汗)あんなシ~ンとした空間でお隣同士だとつい泣くのもガマンしちゃいそうですもんね。
だけど、ほんとによかったです~家族で見て欲しい&若い人に見て欲しい、って両方とも中居くんの願いですもんね☆
またポツポツと感想言ってくれるかも…そしたらぜひ聞かせてくださいね♪
もし何も言ってくれなくても、きっと何かが残ったはずだと思いますし◇◇◇

くるみ
2008年12月1日16:29

>ちえさま、こんにちは☆
お嬢さん、なんてええコや~~(笑)
ただでさえ高校生くらいの年齢にはキツい映画だと思うのに3回目も見てくださるなんて、きっと今どき珍しい(笑)感受性の豊かな素直なお嬢さんなんでしょうね。冬休みまで…いえ大丈夫っ!!きっとちゃんとロングランですからね~~(だって中居くんが気弱なこと言ってたから…大汗)
「金持ちのひとり息子」は…わたしも確かにそれは豊松の本音中の本音だと思うのですが、そんなリアルな下世話なことをあの場面で言ったことがちょっと意外だったのです。
ほら監獄でも恨んで当たり前の矢野中将の後生を弔うほどの善人さが描かれてたので、「もうちょっと抽象的な詩的なことを言うのかな?フツウ映画では…」みたいなスレた見方で(笑)
ご一緒した日…あのあとトイレで鏡を見てガクゼンっ!化粧が見事に剥げ落ちてみるも無惨な顔で…特に鼻かみすぎてトナカイ状態…あれで至近距離でお話ししてたんですね~ガックシ…(大汗)
ほんとウォータープルーフファンデが必要でした~~(笑)
こちらこそまたご一緒したいです。

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